地中海の食事
《 共同提案の経過 》
以前よりスペインでは、国民の肥満解消と健康の促進のため、地中海の食事を推奨する活動を進めていました。ユネスコ無形文化遺産に登録できる機会があったため、申請することになりました。
そして、スペインは呼びかけを行いイタリア・ギリシャ・モロッコの4か国による共同提案で、2010年に世界無形文化遺産として登録されました。13年にはキプロス・クロアチア・ポルトガルが追加登録されました。
《 地中海の食事 》
これほど多国籍なのは不思議にも思えますが、「地中海の食事」は国や土地に縛られたものではないようです。地中海沿岸の気候や風土に育まれた豊かな食材・料理・社会的慣習などを広く共有する食文化です。魚介類・穀類・乳製品・野菜・果物などをバランス良く取り、油脂分は肉類を少量にし、オリーブオイルを中心に摂取します。そして、適量のワインを交えながら、ゆっくりとコミュニケ―ションする食事スタイルをとります。
英国の医学誌に、『食習慣を地中海料理に変えると、心臓病やがんの死亡リスクを減らし、またアルツハイマーなどの神経変性疾患の発症率も減少』と発表されました。
《 取りくみ 》
食文化に共通するところは多いようですが、保護・継承については、各国ごとの解釈で行われています。とはいえ、多国間で連絡調整が採られ、それぞれに子供たちへの食育プログラム、レシピコンテスト、関連書籍の出版、フェスティバルや討論会などが実施されています。
スペインでは、全国的な活動は「地中海ダイエット財団（FDM）」が中心となり展開し、自治州の活動は州ごとに独自に取り組んでいます。地中海の食事に関する作曲コンテストが実施されたり、ソリア市では「地中海の食事」にちなんだ名前を通りにつけるなど、実に多彩な活動が行われています。
《 感想 》
近くの国々でユネスコへの共同登録って、まず仲が良さそうでいいですね。それにしても、最近スーパーでオリーブオイルの売り場が拡大してきましが、「地中海の食事」は健康に良いという認識が広まってきたのでしょう。また、これに関する歌や踊りまであるとかで、活動が明るく楽しそうですが、一体どんな踊りなのでしょう？
☆ 次回から和食です。 2015.11.03記
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